公益社団法人土木学会論文賞受賞(平成25年6月14日)

  • 本研究室の杉本光隆教授が,公益財団法人土木学会論文賞を受賞しました.受賞の対象となった論文は「地盤反力曲線を用いた骨組み構造解析によるトンネル覆工の解析法」です.土木学会論文賞は,土木学会誌,土木学会論文集,その他土木学会の刊行物に研究,計画,設計,施工,考案などに関する論文を発表し,独創的な業績を挙げ,これが土木工学における学術・技術の進歩,発展に顕著な貢献をなしたと認められる論文の著者に送られる賞で,毎年,土木工学7分野から各1編が選出されます.
  • 【受賞内容の概要】 本研究は,現状では全く異なるアプローチでなされているシールドトンネルとNATMトンネルの覆工の設計法について,両者の相違を明確にした上で統一的な考え方で整理し,NATMトンネルからシールドトンネルまで,同じ考え方で解析できる手法を提案したものである.日本の大都市部の大深度地下を構成する洪積層,新第三紀層の地盤には,NATM,シールド工法どちらも適用可能である.しかし,両工法の覆工の設計法は大きく異なっており,その違いの統一的な解釈が課題となっている.そこで,まず,従来のトンネル覆工の設計法を,地盤工学の基本的な考え方を用いて理論的に整理した.この検討を基に,地山のトンネル内側への変位による主働側の土圧や,覆工設置までの地山変位を評価できる地盤反力曲線を,既存の骨組み構造解析モデルに適用し,トンネル覆工を設計するための解析法を開発した.さらに,同解析法を実現場に適用し,地盤反力係数と裏込注入率を変数とするパラメータスタディを行うとともに,覆工作用土水圧の計測値と解析値を比較し,提案する解析法が軟弱地盤から硬質地盤まで,覆工作用土水圧,覆工の変位・断面力を合理的に表現できることを確認した.本論文で提案された解析法は,骨組み構造解析による従来の解析法を包含し,かつ,NATMトンネルとシールドトンネルの覆工の設計を統一的に取り扱えることから,トンネル工学の理論的発展に寄与すると期待される.
  • 【他の受賞者の紹介】 Aphichat Sramoon氏(エネルギー環境工学専攻2000年修了,環境・建設系助手2000~2003年,現Geotechnical & Foundation Engineering Co., Ltd. (タイ)社長),岡崎麻里氏(建設工学専攻2003年修了)
 
 
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土木学会論文賞表彰状と記念品
(平成25年6月)

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