1847年5月8日,善光寺地震が発生しました.長野市西方の山間地を中心に,多くの斜面が崩壊し,周辺地域の人たちに大被害を与えたそうです.特に,岩倉山で発生した大地すべりが犀川を閉塞し,上流地域に浸水被害を引き起こしました.19日後には,この河道閉塞地すべり,いわゆる天然ダムが決壊し,土石流となって,下流地域に大被害を与えました.このような被害形態は,土砂災害が多発した新潟県中越地震と酷似するところがあり,地震による土砂災害のメカニズムを研究するためには,重要な実被害例であり,調査を行うこととしました.160年も前の地震であり,いつ起こった地すべりかを特定するのは容易でありませんが,残されている資料や報告書を参考に調査を進めることとしました.