2007/8/2 の調査 (2nd August, 2007 Investigation)
はじめに
国土交通省信濃川河川事務所と長岡国道の協力を得て,被害視察会を実施しました.参加者は10名ほどでしたが,マイクロバスを準備いただき,堤防と国道の被害箇所を見学し,詳細な説明をしていただきました.迅速な復旧に努めているというのが印象的でした.
大河津分水路堤防
- 県道68号燕市野中才,大河津分水路右岸です.多くの亀裂が発生したようですが,すでに復旧されています.大河津分水の堰では,中越沖地震時に400gal以上の加速度が測定されたそうです.被害はなかったということです.
- 下流側を眺めたところです.信濃川が氾濫しないように,明治時代にこの分水路を建設したことはすごい事業です.
- 分水路の河口近くにある第二床固です.河床が洗掘されないように造られたものですが,床固のすぐ下流側は,洗掘により15mの水深があるそうです.地震による被害はありませんでした.
- 河口です.国道402号野積橋が見えます.
- 上流側を眺めたところです.右岸側(写真左側)が,地すべり地帯で大河津分水建設時に河道を埋める地すべりが発生しました.
信濃川堤防
- 信濃川堤防左岸(県道22号長岡市寺泊町軽井)です.この周辺で,多くの亀裂や液状化跡が見られたということです.
- 河川敷を歩いてみることにしました.砂が堆積していますが,噴砂跡と思われます.
- これも噴砂跡です.道にあるということは,見えないだけで水田の中にも噴砂はあると思われます.
- 稲のないところには噴砂跡が見られます.
- ここら一面で液状化したと思われます.
- 取水のための構造物(取水樋管)が被害を受けています.砂が見えますので,液状化により,地盤が変形したためと思われます.
- コンクリート構造物が,特に継ぎ目部で大きく変形しています.
- 亀裂が入っています.かなり大きな力が作用したようです.先端部が上方に変位したように見えます.
- 地震により護岸が被害を受けたようで,石積みで押さえるようにしています.
- 堤防上にも噴砂跡のようなものが見られました.堤防は5m以上はありそうですが,本当にここまで上がってきたのか,どこの部分の砂が吹き出したかは不明です.
国道8号長岡市大積
- 崩壊した土砂を切土した斜面です.まだ安定が不十分ということで,伸縮計がつけられています.
- 植生のための土が吹き付けられています.
- 崩壊土砂は黒川をせき止めました.竹藪があり,十分水分を含んでいることがわかります.
- ガードレールが大きく下に落ちています.
- 下部崩壊土砂を取り除くと不安定になるので,とりあえず固めて使っています.
- 切土面から傾いた地層が現れています.
- 崩壊土塊が黒川を塞いだのがよくわかります.
- 擁壁の下には,しっかりした泥岩が現れています.
- 傾斜計が取り付けられ,斜面が動き出さないか監視しています.
- 斜面の押さえとして,大型土嚢が置かれています.
国道116号柏崎市西山町上山田
- 国道116号柏崎市西山町上山田での亀裂や段差です.すでに復旧されています.
- この部分に大きな段差ができたようです.
- 段差を直した跡がよくわかります.
- 歩道が落ちてしまっています.
- はらみだし部には,土嚢が積まれています.
ボーリング試料見学会
- 8/30に国土交通省北陸地方整備局信濃川河川事務所で堤防のボーリングコア見学会が催されました.
- 液状化を起こした町軽井のコアです.細粒分を含んだ砂が見られます.
- 結構粗い砂層があります.
- 細粒分混じりの砂層があります.
- ここには明確な砂層はないようです.黒っぽい腐植土やシルト(細砂混じり)層が見られます.
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