信濃川河川敷(昭和大橋と越後線の間の左岸)において,ジオスライサーによる地層抜き取り調査を行いました.この調査は,東北大学の風間先生を研究代表者とする科学研究費補助金(基盤研究A)の研究の一環として行われました.ここで使われるのは,ジオスライサーという手法です.1964年新潟地震の液状化跡が見られないかと期待していました.風が強く本当に寒かったですが,途中,見学会をしたりマスコミが訪れたりと,大忙しでした.
1. ジオスライサー
- クレーンが信濃川左岸に配置されています.向こうには昭和大橋が見えます.
- 向こうにはJR越後線が見えます.
- すでに打ち込まれた矢板(サンプルトレイ)にシャッタープレートを打ち込もうとしているところです.振動(バイブロハンマー)をかけながら挿入していきます.
- 地層を抜き取っているところです.軟らかいからか,スムーズに上がっていきます.
- 矢板からシャッタープレートを取り外します.
- 矢板を運んでならべます.
- 表面を薄く削り取って地層が見えるようにします.
- このように矢板をならべて,地層を観察します.酸化した層やレキ層がよくわかりますね.
- 樹脂と水をよく混ぜ合わせ,剥ぎ取り用のグラウトとします.
- 地層の上においた網の上からこのグラウトを流し,よくのばします.グラウトが固まる前にすばやく行う必要があります
- グラウトが固まったら,このように剥ぎ取っていきます.
- きれいに地層が薄く剥ぎ取られているのがわかります.地層の透水性等によって剥ぎ取られる厚さが変わってくるようです.
- 矢板に残った土でサンプリングを行います.
- ジオスライサーで抜き取られるのはせいぜい10mなので,それより深いところはボーリング調査を行いました.
- スエーデン式貫入試験(SPT)も行いました.
2. 地層観察
- 標本剥ぎ取り前の液状化跡です.新潟地震で液状化したと考えられます.砂がシルト層を上っていっているのがわかります.
- 標本剥ぎ取り後の液状化跡です.
- 標本剥ぎ取り前の液状化跡です.ここも大きく砂がシルト層を突き破っているのがわかります.
- 標本剥ぎ取り後の液状化跡です.
- この斜めになった堆積構造,津波が川を遡上したときにできる堆積構造ということです.新潟地震以前にも津波があった可能性があります.
3. 見学会
- 地盤工学会北陸支部で見学会を実施しました.前日に行う予定だったのですが,強風のため取りやめになりました.急遽,本日に変更したので,出席者は9名と少なくなりました.東北電力も別途,10名ほど見学に来られました.
- 調査概要の説明は東北大学の風間先生にお願いしました.
- 地層や液状化痕跡について説明しているところです.
- 自由に地層を見学してもらうことにしました.
- 活発な質疑が交わされました.
4. マスコミ
- マスコミも取材に来ました.テレビ3社(NHK,BSN,NT21)と新聞関係3社(新潟日報等)でした.
- 東北大学の風間先生が調査目的および概要を説明しました.
- 学生が調査しているところも取材されました.
- 出てきた地層および液状化痕跡の説明です.
- 標本を使っても説明しました.記者は熱心にメモを取っています.
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