2004/8/7 研究室での独自調査 (7th August, 2004 Private investigation)
はじめに
卒業生の協力を得て,土砂災害についてさらに詳しく調査しました.今日も暑いけど,もうひとふんばり!
栃尾市北荷頃
ここでも一人亡くなられました.場所的にわかりにくかったですが,何とかたどり着きました.さて,問題点を調査です.
- 民家は倒壊していませんが,土砂が流れ込んだ形跡があります.横のクラックはなんでしょうか?
- ライフラインがむき出しになっています.地盤が変形したのか,水に流されたのか微妙なところです.
- 崩壊斜面を下から眺めてみました.上部にはかなり硬そうな岩盤が出てきているのがわかります.この岩盤上を表層土がすべったということでしょう.
- 斜面に登ってみました.ゴロゴロ石ころが落ちてくるので,ヘルメットの着用は必須です.この岩盤は砂岩ですね.非常にすべりやすく危険です.民家は斜面下の右手にあります.土砂がカーブした?
- 民家のまっすぐ奥の斜面も調べてみました.これはかなりの水が流れた(土石流的なもの)が発生した可能性がありそうです.家屋が倒壊していないことより,斜面崩壊した土砂が直接民家を直撃したのではなく,この水で流されて民家に達したという可能性が考えられます.
栃尾市大町の宝光院
栃尾市大町の宝光院を視察しました.宝光院の裏山でも規模は小さいもののすべりが発生しています.土石流の原因となった奥の斜面崩壊現場は後日視察(8/14)しました.
- 円弧すべり的な崩壊です.お墓のあるちょうど手前から崩れています.
- これも円弧すべり的崩壊といえるでしょう.
- 斜面崩壊の規模としてはそれほど大きくありません.
- ここでは土石流も発生したのですが,この渓流が土砂を運んできたようです.
- ちょうどお寺が土砂をせき止める形になって,町への被害は最小限で食い止められました.
栃尾市平
栃尾市平の栃尾大橋の斜面でも大規模な地すべりが発生しました.この辺りは地すべり地でありますが,ここは今回の豪雨で新たに発生しました.
- すでに伸縮計が取り付けられています.警報も鳴るようになっています.
- なんと,橋脚基礎が飛び出してしまっています.周りは吹き付けコンクリートで対策を施しています.
- 伸縮計も2ヶ所に取り付けています.
- すべりの全景です.伸縮計を2ヶ所に取り付けた理由は,どうやら,すべりブロックが2つあると見ているようです.次のような証言が得られました."日照りの後の大雨であり,7月13日の9時頃崩れだした.栃尾大橋より斜面に向かって,すぐ左,そのまた左の斜面,橋の右側の斜面の順に崩れた."
- 滑落崖ですが,段丘堆積物の下が泥岩になっているようです.しかし,地表面には大きな石ころを数多く含んでいます.
三島町逆谷詳細調査
三島町逆谷県道443号線(阿弥陀瀬上条線)の斜面崩壊現場を詳細に調査しました.
- おもしろそうな斜面崩壊です.ちょっと登ってみましょう.
- 土砂が崩れてくるのでヘルメットは必須ですね.
- 表層土の下に基盤層を見つけました.
- 早速,試料を採取してみましょう.
- 斜面の上に登ると,なんと,さらに上にも滑落崖が(ブルーシートがかぶせてあります).二段階すべったのでしょう.そう考えると,すべり面結構深そうですね.
三島町逆谷,蓮花寺
三島町ではその他,数多くの斜面崩壊が発生していますので,さっと回ってみました.
- 三島町逆谷,県道443号線(阿弥陀瀬上条線)より豚小屋方向へ入った道の大きな斜面崩壊.今日は時間がありませんが,おもしろそうなので後日登ってみることにしましょう.
- 豚小屋奥の斜面崩壊です.かなりの土砂が流れてきていますね.
- 三島町蓮花寺,県道444号線(中永宮本線)の斜面崩壊です.道路から土砂は取り除かれていますが,電柱が傾いてしまっています.
- 土砂により,法華寺の柱が倒され,屋根が落ちてきてしまっています.
- 上から眺めてみました.かなりの急斜面です.伸縮計も取り付けられています.
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