ちょっとだけロンドン批評


ロンドンもアメリカに負けず劣らず「人種のるつぼ」です.アングロ・サクソン系が突出している感じは全くありません.東洋人も多いので違和感なくとけ込めます.私が外を歩いていても,頻繁に道を尋ねられます.日本では,外国人に道を尋ねたりしませんよね.こういった面では,ロンドンは東京よりずっと国際都市なのでしょう.

ここ,Imperial Collegeでも留学生は本当に多い.7割が留学生です.しかし留学生の授業料は高く,年間10,000ポンド以上します.しかも私費で来ている学生がほとんどです.親が金持ちだから来られた学生から,5年間お金を貯めて来た学生まで色々います.なんと,イギリス人の授業料はかなり安いようです.こんな待遇があって良いのでしょうか.それでも留学生は集まってきます.土質の修士は30名弱,博士は15名程度います.みんな口をそろえたように,土の分野ではImperial Collegeが有名だから来たと言います.大学でなにを学びたいかという目的をしっかり持っています.日本の学生が軟弱に見えてきます.文部科学省の奨学金など,日本の留学生に対する待遇の良さを紹介すると,興味は持ちますが,日本語がネックとなります.日本では,日本語が出来ないと生活が大変ですからね.

教官は,留学生を教育することに誇りを持っていると思います.イギリスで学んだ彼らが自国で活躍し,また優秀な学生を送り込んでくれるという考えです.優秀な学生が各国から集まってくるとはうらやましい限りです.

イギリス人は大きなアドバンテージを二つもっています.一つは英語です.英語は大陸からの言語の影響等を大きく受けており,優れた言語とは言い難い気がします.しかし現在,国際化を目指すには,英語は必須です.我々が英語で苦労している間に,彼らは他のことに時間を費やせます.

もう一つは,各国から優秀な人材が集まるということです.何をするにも優秀な人材がないと思うように動けません.各国から競って優秀な人材が集まるようになってこそ,国際都市と呼ぶのに値すると思います.

しかし,...
確かにこれまですばらしいものを生み出してきたイギリスではありますが,今のイギリスを見ていると,未来を自ら切り開くのではなく,過去の栄光にすがって生きているような気がしてなりません.おっと,あまり書くと国際問題に発展しかねないので,この辺で.


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